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理性と深層心理が運転する車の性質

複数のゴールがあるとコンパスが狂う

先延ばし病のある人の中には「タスクが一つしかない時はそれに取り組むことが出来るが、多くのタスクがあると、逆に一つも取り組むことができなくなってしまう」という経験のある人もいるでしょう。

これは、その人の理性がちょっとしたパニックに陥ってしまっているために起こります。

この時、頭の中には、複数のゴールが設置されてしまっているのです。

すると、頭の中の理性が持つコンパスはどちらを指していいかわからず、ぐるぐると狂ってしまいます。

その結果として理性は車を運転するべき方向が判断できず、深層心理に従って誘惑に飛び込んでしまったり、適当な方向に向かってしまって底なし沼にハマってしまったりするのです。

これを避けるには、タスクに優先順位をつけ、2番目以降のタスクを頭から消し去ることで、頭の中のゴールを一つだけにする事が有効なのですが、

この「優先順位を付ける」というタスクが先延ばしにされることもあるので厄介です。

ガソリンスタンドはゴールにある

理性と深層心理が運転する車は、自己効力感というガソリンで走ります。

自己効力感を得る方法はいろいろあります。

「あなたはやればできるんだ」という言葉で誰かに受け入れられる経験をしたり、誰かが何かを達成する様子を見て「自分もできるだろう」という感覚を抱いたり、お酒を飲んで気分を盛り上げたりなどです。

ですが、最も効果的な方法は、実際に、先延ばしすること無く何かを成し遂げて「確かに自分は何かに早く取り組み、達成することができる」という確信を得ることです。

つまり、頭の中の車を運転してゴールにたどり着くことが、ガソリンを補給することに直結するのです。

ガソリンスタンドがゴールにあるというのはこういうことです。

締切直前に慌ててやっても、自己効力感は回復しない

ただし、このガソリンスタンドは夕方には閉まってしまいます。

夕方とは、締切直前のことです。

締切間近に爆発的な力を発揮してタスクを完了しても、「自分は先延ばしせずにタスクに取り組むことができる」という自己効力感は得られないのです。

結局、先延ばしせずに何かに取り組んで完了することが、その後も先延ばしせずに何かに取り組むことにつながっていくのです。

自己効力感というガソリンがどんどん減っていく

このことは、逆に、先延ばし病の非常に厄介な性質にもなります。

夕方になるまでにゴールのガソリンスタンドにたどり着けなかった場合、自己効力感のガソリンを補充することができません。

するとガソリンは消費される一方になってしまい、やがて空になります。

自己効力感はなくなり、「自分は先延ばしをせずに何かに素早く取り組むことは出来ない」と思ってしまうようになります。

こうなると新たに何かに取り組む気力が起こらなくなり、先延ばし病を悪化させるのです。

車から離れている時は全体を見渡せる

こんな経験がある人も多いでしょう。

「本を読んでいる時や、誰かの話を聞いている時、映画を見ている時、寝る前に布団に入っている時などに、やる気がみなぎることがある。しかし、いざ時間ができて、それを実行できる状況になると、何故かそのやる気が消えている。」というものです。

一言で言えば、「タスクを実行できる環境にない時なら、そのタスクに取り組む強い意志が生じやすい」ということです。

何故こんなことが起きるのでしょうか。

それは、タスクを実行できる環境にないときは、「タスクについて考えること」がその場におけるゴールになるため、ゴールがとても近くに来るからです。

タスクを実行できる環境にいる時は、タスクについて考えると、どうしても「今それをやればいいじゃないか」という感覚が頭につきまといます。

すると、想定されるゴールは「タスクに取り組み、達成すること」になってしまい、遠くなります。するとたちまち霧の向こうへ霞んでしまい、先延ばしにされてしまうのです。

これに対して、タスクを実行できる環境にいない時は、その場では「タスクについて考える」以上のことができません。タスクを実行しないという保証があるのです。

すると、その場で想定されるゴールは「タスクについて考えること」になります。「タスクについて考えること」は「タスクに取り組み、達成すること」に比べてずっと簡単ですぐにできます。

結果として、ゴールまでの距離はとても近くなり、深層心理にも目視できるようになって、まっすぐゴールに車を運転することができます。

この性質を利用して、タスクを実行できる環境でもやる気を出す方法があります。それは、「実行しなくても良いから、どんなステップがあるか考えてみる」「最初のほんのちょっとのステップだけをやろうと考える」というものです。詳しくは、第四章で説明します。

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